不登校中の勉強は!? 親が教えることには、限界がある! 

不登校
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学校に行かない期間が長くなればなるほど、心配も増えていくことでしょう。

その中には「学習の遅れ」も含まれます。

中学生だと高校進学を意識し、焦りやプレッシャーなどを感じるお子さんもいるかもしれません。逆に、小学生だと「小学生の間は、家でなんとかなる」と感じられている保護者の方もいるのではないでしょうか。

でも、小学校のときの学習の積み重ねは、実はとても大切です。特に、算数は、小学校から毎年積み上げたものが、中学校への数学につながります。

担任をしていたとき、小学校4年生のわり算でつまずく子がけっこういました。その原因を探すと、ほぼ2年生で習うかけ算九九でのつまずきでした。かけ算がしっかり習得できていないことが、わり算にもつながるわけです。

また、漢字の学習も、コツコツ積み重ねていくもの。小学校1年生から6年生までに習う漢字は、なんと1026字もあります。一番多い学年は小学校4年生で、一年間で202字の新出漢字を学びます。これは、長期休業中をのぞき、ほぼ一日一文字ずつ覚えていかないと終わらないくらいの量です。

これらを「小学生だからなんとかなる」でやり過ごしてしまうのは、…少し心配ではありませんか?

もちろん、家庭学習で習得できる子もいるはずです。親が教えなくても、独学で学習を進めることができる子は、それほど心配はないでしょう。

でも、親がついていないと学習に意欲が向かない子、学習の遅れをすでに感じている子は、親が教えることに限界がくるかもしれません。

いや、むしろ限界がくるのは、自然なこと。

もし、これを読んでいる方の中に「自分の教え方がダメなのではないか」「自分が無力だから、子どもが学習できないのではないか」と思っている方がいたら、そんなことはありません!

小学校の教員をしていたわたしでも、家で、自分の子どもに教える「むずかしさ」を実感しているからです。

今日は、「どうして親が教えることには限界があるのか」「どうしたら、学習の遅れをとりもどせるのか」をシェアできたらと思います。

どうして親が教えることに、限界があるのか!?

甘えがでてしまう

親子となると、どうしても甘えがでてくるもの。これは、とても自然なことです。わたし自身、幼いときに「親から習った経験」がありますが、長くは続きませんでした。親子で師弟関係のスポーツ選手などもいますが、かなりの覚悟がないと、あそこまでの関係は築けないのではないかと思います。

はじめは、お互いによい緊張感をもち、学習できていたとしても、それが長く続けば続くほど、だんだんと苦しさがでてきてしまう。子どもは甘え、親は厳しくなっていく…。いや~な空気が漂い、子どもは学習への意欲をなくし、親も教える気力がなくなる。

これは、親か子のどちらかが悪いのではありません。親子だからこそ、起こる、とても自然なこと。

それでも、親が教えるしかない場合は、どうしたらいいのか。

「子どもに甘えないように!」というのは、なかなかむずかしいので、親の意識を変えてみることをおすすめします。たとえば、自分の子どもではなく、他のうちの子どもに教えているつもりになる!

他のうちの子どもに教えるとなれば、教え方や言葉遣い、忍耐力も変わってきませんか?

家は誘惑が多すぎる

学校には、テレビもゲームもなければ、お菓子やジュースもない。それに比べ、家は、子どもにとっては誘惑が多すぎる環境です。大人でも、「家だと仕事がはかどらない」「受験勉強は自習室じゃないとできなかった」という経験をおもちの方もいるのではないでしょうか。

学校のようなチャイムもなければ、やりたくない勉強を強制されるわけでもない。

となると、どうしても、やりたくないことは避けたくなるのが、子どもの心理です。

それでは、家では学習できないのか?といったら、そういうわけではありません。誘惑が多いからこそ、それをうまく使えば、学習へのモチベーションにもつなげることができます。

また、環境もとても大事になります。学習する環境には、子どもの気が散るようなもの(誘惑されるようなもの)は排除しておきましょう。いろいろ気になりやすいお子さんの場合、できたら何も貼っていない壁に向かって、机の上には必要なものしか置かないようにしましょう。

タイマーなどをうまく使い、時間を区切って学習することもおすすめです。

高学年になればなるほど、内容が高度になる

「小学校中学年以上になると、内容がむずかしすぎて、親が教えられない」という声をよく聞きます。特に、親自身が苦手だった教科を教えることは、とてもむずかしいことではないでしょうか。

「そんなこと、勉強したっけ?」「ぜんぜん覚えていない」

中には、そのような内容のものもあるかもしれませんね。そんなときは「答えさえ教えればいい」と思っている方がいるかもしれませんが、それは、まったく子どもの力にならないのでご注意を!

もし、教えている内容がむずかしすぎて、お手上げ状態なのであれば、無理に自分で教えてようとしないことが得策です。わかっている人を探して、代わりに教えてもらいましょう。

自分ができること=教えられること ではない

自分ができることは、なんでも教えられるか?というと、そうではありません。「できること」と「教えること」はイコールではない。

なんでもスラスラとできてしまう人が、できない人に教えるとどうなるか?

「なんで、こんな簡単なことがわからないのか、わからない!」という状況がうまれます。つまり、何がわからないのかが、理解できないため、教えることができないわけです。

できないことを理解して、それを解決する方法を教えるのは、そんなに簡単なことではありません。

自分の教え方が悪いのかも…と、自分を責める必要もありません。教え方を教わっていないのだから、教えられなくても当然です。

どうしたら、学習の遅れを取り戻せるのか!?

この回答は、たったひとつ!

プロの力をかりること。

やはり、親が教えることには限界があります。それでも、「自分がなんとかしないと…」と思ってしまうと、悪循環に陥ることも多くあります。

親ががんばると、子どもは逃げる…

そんなときは、プロの力をかりることをおすすめします。プロといっても、いろいろな方法があります。

学習塾や家庭教師、オンライン学習などを利用するのもあり。また、教育相談センターなどで学習支援を行っている自治体もあるはずです。学習支援のあるフリースクールを探してみるのもいいでしょう。

ただ、どちらにしても、お子さんの気持ちが「学習」にまったく向かっていないようだと、継続できないことが考えられます。

まずは、「なぜ学習に気持ちが向かないのか」そこを理解してあげることが先決です。そのやりとりも、親が対応するのがむずかしい状況もあるでしょう。カウンセリングや教育相談などをうまく利用し、一人で抱え込まないようにしてください。

プロでも、自分の子どもに教えることは、なかなかむずかしいものです。学校に行かないことだけでも、たくさんの心配や不安があることと思います。その中の「学習の遅れ」は、プロの力をかりることで、解決できる。お子さんにとっても、家族以外の人とのつながりから、成長できるチャンスでもあります。

すてきな出会いが、お子さんに変化をもたらしますように…

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