不登校はダメなこと!? 登校していれば、安心とは限らない

不登校
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いままで、登校に不安がある子どもたちに、たくさん出会ってきました。

その多くの子が「学校に行かない」ことで、何かしたらの不安や心配を抱えていました。中には「自分の意志で、登校しない」と強く決意した子もいましたが、それでも、心のどこかに「学校」という存在があるようでした。

だいぶ昔は、「学校に行きたくない」といっても、無理やり学校に連れていくような風潮がありました。実際、腕をひっぱられながら、引きずられるように登校していた子もいました。

でも、最近では、ずいぶん「不登校」に対する対応も変わってきています。無理に登校しなくてもいい。行きたくない子にとっては、「行かなくてもいいよ」という言葉は、大きな救いだと思います。

ただ、学校に行かない期間が続いてくると、だんだんと違った不安や心配を募らせていくようです。

「このまま、学校にいけないのではないか」

「今のままでいいのかな」

「なんで、自分はみんなのように学校にいけないのだろう」

学校との距離があけばあくほど、この不安は倍増していくのだと思います。

「不登校」はダメなことではないのに、時間がたつにつれ「ダメなこと」に感じてくる。

そんなお子さんの様子を見て、心を痛めているお母さん、お父さんも多いのではないでしょうか。今日は「不登校はダメなことではないわけ」をお伝えしたいと思います。もし、お子さんに「不登校はダメなこと?」と質問されることがあったら、ぜひ参考にしてみてくださいね。少しでも、登校に不安がある子への理解につながればと願っています。

不登校はダメなことではないわけ① 命を大切にするため

登校に不安がない子にとっては、学校に行くことは呼吸をすることのように、自然なことだと思います。たまに、行きたくない日があったりしても、行ったら行ったで何とかなる。そんな子が多いのではないでしょうか。

でも、登校に不安がある子はそれぞれ理由は違っても、「学校に行く」ということが大きなハードルになっていることは共通しています。学校に向かうこと自体が、大きな山のように目の前に存在しているのです。

これは、行きたくなるけど、学校に行けばなんとかなる子とは、まったく違う心境です。

学校に行くことを考えれるだけでおなかが痛くなったり、おなかを壊してしまったり、頭が痛くなったり…と体調が悪くなってしまう子も多くいます。体調が悪い日に無理したら、どうなるでしょう。

少し風邪気味のときに、無理してサッカーの練習をして熱が出てしまったことがあるように、体調が悪いときに無理をすると、もっと体調が悪くなってしまいます。

学校に行くことを考えただけで、体調が悪くなってしまう子が、無理をして学校に行ったらどうなるでしょう。それを毎日繰り返していたら…?もっともっと体調が悪くなり、なかなか治らなくなってしまいます。

風邪をひいたら、ゆっくり休むように、心の調子が悪いときにも、ゆっくり休むことが必要です。心も体も、調子が悪いときには、無理をしないこと。それが、命を大切にすることにつながります。

不登校はダメなことではないわけ② 学校に行けば安心!ではないから

学校に行くとひと安心…という親心はとてもよくわかります。

でも、もし何かしらの原因があって、無理して学校に登校しているとしたらどうでしょう。親にはいえない何かを一人で抱えているとしたら…?、学校でつらい思いをしているとしたら…?、それでも、学校に行けば安心なのでしょうか。

大人になれば、自分で心を守る術を何かしらもっています。いやなこと、納得いかないことがあっても、どうすれば自分の気持ちと折り合いをつけられるか、バランスをとりながら、人や物事とかかわっていくようになります。中には、大人でもうまくバランスがとれなくなり、苦しんでいる人も多くいます。それほど、簡単なことではないということです。

では、子どもは、どうでしょう。まだまだ、成長途中。心の守り方、気持ちのコントロールの仕方、感情の表現方法など、未発達なものばかりです。それを学ぶのが、学校ともいえるのですが、心を守る術をもたないまま、傷つけられる状態に長くいたり、我慢できない状況まで我慢し続けたりしてしまうと、子どもたちの心は大きな穴があいてしまいます。

小さな傷の時点で、なるべく早く大人が気づいてあげること。そして、傷の手当をしながら、これからどうしていこうか…と一緒に作戦会議をすること。それが、とても大切だと思っています。

小さな傷が大きな穴になる前に、「休む」という選択をすることは、子どもたちの心を守る行動です。

不登校はダメなことではないわけ③ 学校に、はまらないこともある

不登校とひとくくりにすることに、個人的には違和感を感じますが…学校に行かない選択をした子の中には、学校という枠組みに合わなかっただけ、というお子さんもいます。

学校という場は、時代が大きく変わっても、それほど大きな変化をしていません。「自分の子どもが小学生になって、久しぶりに小学校に入ったけれど、昔とそれほど変わっていなかった!」という方も多いのではないでしょうか。

少しずつ変化はしていますが、これほど世の中が大きく変化している中、学校の変化はとても小さいもののように感じます。

実際、学校で働いていても、「昭和と何も変わっていない」ことの多さに驚きました。

時代とともに、社会が変化しているように、子どもたちも多様化しています。昔のように、集団行動、一斉授業が苦手な子も増えています。もちろん、学校という場は、集団行動を通して学び、成長していく場なので、そこを否定するわけではありません。

でも、そういった枠にあてはまることがむずかしい子がいることも事実です。今、通学している学校ではない違う場所で、その子の可能性が開花することもあるということです。

学区の学校だけが、その子の学ぶ場所とは限らない。その子に合った場所は、他にあるのかもしれない。学区外の学校への転学、少人数の私立の学校、フリースクール、オンラインスクールなど、学ぶ場所がもっともっと多様化していくことを心から願います。

【まとめ】不登校はだめなことではない。大事なことは、登校しない時間の過ごし方

学校に行かないことは、けっしてダメなことではありません。

もし、学校に行かないお子さん、保護者の方がこれを読んでいたら、声を大きくして何度でも伝えたいと思います。

ただ、実際に不登校になると、はじめは「これでよかった」と思っていた気持ちが、「本当にこれでよかったのかな」と不安になってくるのではないでしょうか。

そんなときは、もう一度原点にもどってみてください。お子さんの心を守る選択をしたことは、間違っていない!命を守る選択をしたのだから、大丈夫!と。

先が見えないことに不安になったり、自分自身の選択は間違っていたのだろうか…と迷いが生じたりすることもあるかと思います。ひとりで抱え込まず、誰かに相談できたら、同じ境遇の人と話すことができたら、もしかしたら少し心が軽くなるかもしれません。

そんなお手伝いができたら…と思っています。

今回は、もしお子さんに「不登校ってダメなことなの?」と質問されたときにも、そのまま伝えられるように、なるべくむずかしい言葉を使わずにお伝えしました。お子さんから質問された場合には、ぜひ参考にしてくださいね。

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