子どもが学校を休みがちになったり、不登校期間が長くなったりすると、どうしてもママ友との関係にも変化がでてくるのではないでしょうか。
また、不登校に限らず、学校でトラブルが多い子の保護者の方が知らず知らずのうちに孤立していってしまうことも、実際にあります。
「今まではうまくいっていたのに、なんか違うな」
「ママ友からの何気ない言葉で、傷つくことが…」
「周りのママたちと話していても、前みたいに笑えない」
そんな自分自身の変化に気づいたら、どうすればいいのでしょう。
結論からいうと、そういうときは「そっと離れる」に限ります。そっと離れることで、マイナスなこともあるのでは!?と心配になる方もいるかもしれませんが、そっと離れることで、ご自分の心を守るだけでなく、目の前にいるお子さんの心を守ることにもつながります。
今日は、ママ友との関係に変化を感じたときの「そっと離れて、心を守る術」をお伝えします。たとえこれを実践しなかったとしても、知っているかどうかで「心」の守り方が変わってくるはずです。今、ママ友の関係で悩んでいる方、距離をおいたら何か影響があるのではないかと不安に思っている方がいらっしゃったら、ぜひ参考にしてみてくださいね。
心を守る術① そもそも「ママ友はなぜ必要なの?」と考えてみる
ママ友、一体いつからこんな言葉が生まれたのでしょう。昔は「〇〇ちゃんのお母さん」や「近所のおばさん」という呼び名だったような…
ママ友の関係に悩まれている方、けっこう多いのではないでしょうか。それは、子どもを介した関係だから。子ども同士の関係がうまくいくように、親もつきあいを続けていく。学校の情報が知りたいから、つながっておく。そんな関係もあるでしょう。
「ママ友って何?」「ママ友って必要?」
ちょっと考えてみると、人によって「絶対必要!」という人もいれば、「いなくても平気」という人もいるのではないかと思います。
わたしは個人的にはママ友と呼べる人は本当に数少ないです。しかも、ママ友というよりも、今や友人に近い。もともとは子どもを介して知り合ったけれど、個人的なつきあいが続いている人は、自分にとって心地のいい人だけです。
小学校に入る前だと、子ども同士で遊ぶのはむずかしく、親が連絡をとりあって約束をすることが多いかと思います。でも、小学校に入ってしまえば、親同士が連絡を取り合わなくても、子ども同士で仲よくなったり、遊ぶ約束をしたりできるようになります。つまり、ママ友の必要性は、小学校に入ると低くなります。
では、小学校ではママ友は必要ないのか? ママ友の概念があいまいなので、一概には言えませんが、ママ友ではなくても「情報を共有できる存在はいる」と安心できますね。でも、これがママ友である必要はない。
「困ったときに聞いたり、相談したりできる存在=ママ友」とは限らないということです。
世の中には同じように考えている人がいるものです。休みの日に家族ぐるみで遊びに行ったり、事細かに連絡をとりあったりしなくても、学校のことで困ったときに連絡をとりあえる関係をのぞむ人もいる。そういう人が一人いれば、ママ友はいなくても困らないのではないでしょうか。
小学校に入ったら「ママ友って必要?」と考えることで、ママ友との関係を見直すきっかけになると思います。
心を守る術② 人に合わせることで自分を消耗するのはNG
ママ友との関係で、「なんだか心が落ち着かない」という人は、相手に自分を合わせようとしていませんか。人に合わせること、日本では当たり前のようになっていますが、人に合わせることは時として自分を消耗させてしまいます。
ママ友と話した後で、「なんかすっごく疲れたな」と感じることがある人は、もしかしたら、周りに合わせようとしてるのかもしれません。
人に合わせること自体は、別に悪いことではない。でも、それで自分を見失ってしまったり、自信をなくしてしまったり、ストレスを感じてしまったりするようなら、その関係は見直すべきではないでしょうか。
居心地のいい人とだけつきあうなんて、そんなにうまくはいかないですよね。でも、ちょっと距離をおくことで、自分の心が守れることもあります。
最近は「LINEのやりとりで疲れてしまう」という方も多いようですが、返信の回数を少しずつ減らしてみてはどうでしょう。保護者間のLINEトラブルは、教員時代も本当に多くありました。でも、そこから自分を守る術は、「かかわらない」ということが一番だと思います。
「今まで仲よくしてきたのに、最近距離を感じる」という方は、勇気を出して離れてみてはどうでしょう。そこから抜けた後、何か言われるのではないか、と不安になる方もいるかもしれませんが、もしそんな仲間なのであれば、つながっている価値はないですよね?
心を守る術③ ママ友と話すことで、子どもを比較することに
ママ友と話すことで、自分自身や自分の子どもを誰かと比較するようになってしまう。これは、とてもつらいことです。
特に、不登校中であったり、学校で何かトラブルがあったりする場合には、さらにお子さんを追いつめてしまうことにもつながりかねません。
「自分のうちの子はうちの子」と切り離すことができれば大丈夫ですが、そうではない場合には少し距離をおいた方がいいかもしれません。
「学校に行けない」「先生に叱られてばかり」と自信をなくしている子は、親の視線を敏感に察知します。その子を受け入れ向き合うことができるか。そこに、他の子との比較は必要ありません。
心を守る術④ そのママ友は、本当に助けてくれますか?
中には本当に親身になって声をかけてくれるママ友もいるでしょう。子どもがどんな状況であれ、変わらずにつきあいを続けられる、続けたいと思える人に出会っている方は、本当にラッキーです。
一方で、表面的なやさしさや悪気のない言動に、傷ついている保護者の方も多いのではないでしょうか。
そんなときには、そのママ友は本当に助けてくれるのだろうか?と考えてみてください。「助けて!」といったら、「助けるよ。どうしたらいい?」と聞いてきてくれる人でしょうか。それとも「ごめん、無理なんだ…」と言って姿を消してしまう人でしょうか。
逆に、そのママ友が困っていたら、あなたは助けたくなりますか。
そんなことを考えると、そのママ友との関係性がはっきりと見えてくるはずです。助け合うことができない関係なら、そっと手放してみては?
自分が知らず知らずに傷ついてしまうなら、まずは距離をおいて、心を守る。心は誰も守ってはくれません。自分自身で守るしかないのです。
心を守る術⑤ 親の姿から、子どもは学ぶ
人との関係性、多くの場合子どもは親の姿から学びます。「いやいや、自分と自分の子どもとまったく性格が違うから…」という方もいるかもしれませんが、コミュニケーションの取り方、人とのつきあい方は、見て学んでいるものです。
ある程度子どもが大きくなれば、親の姿を反面教師としてとらえることもできるようになります。でも、小学生のうち、特に幼いころには、親の姿から受ける影響はとても大きいです。
自分の心を守るために、距離をおくこと、これも親が子どもに教えられる大事なこと。
自分の子どもを傷つける子と「仲良くなりなさい」と言えますか?
それと同じです。
特に、友人関係や人とのかかわりがうまくいかずに悩んでいる子にとって、「離れてもいい」「かかわらなくてもいい」ということは、その子の心を軽くします。
友だちができずに悩んでいる子にとっては「友だちなんて簡単にできないもの、今はいなくても大丈夫だよ」と伝えてあげるだけで、ちょっと気持ちがラクになります。
親の言葉と行動が伴うことで、さらに「大丈夫なんだ」と実感できることも多いです。
【まとめ】友だちは自分で選ぶ! ママ友こそ自分で選ぼう
会社の同僚、上司、取引先の人など、大人になれば、どんなに合わなくても付き合わなくてはならない関係もあります。でも、友だちは違います!
友だちは自分で選ぶことができる。それを子どもに伝えるためにも、親がぜひ実践している姿を見せてあげてください。
自分にとって居心地のよくない仲間、成長したり助け合ったりできない友だちは、本当の仲間や友だちではない。
ママ友こそ、自分で選ぶ!
子どもを介して出会った友だち、子どもを介さなくても友だちでいたい人ですか?
もう一度、自分に聞いてみてください。ママ友は、いなくてもどうにかなります。深くつきあわなくても、情報交換だけできる関係を築く方法もあります。
もし今までつきあってきたママ友との関係を見直したい方、モヤモヤしている方がいるのなら、少しずつ行動してみてはいかがでしょうか。小さな一歩で、何かが変わるかもしれません。周りからどう思われているのか、どういわれているのか、そんなことは気にする必要はまったくありません。
大事なことは、自分自身をどう守るか。自分の子どもの心をどう守るか。
自分自身が心地よいと思える人とつながっていればいい。離れる勇気をちょっともってみませんか。