横浜のちいさなフリースクール「ぶあの家」の開室準備をしています。HPのスクール案内の授業料… なかなかアップデートできないでいました。
「一番肝心な授業料や利用料が分からない!」状態だったため、「このフリースクール、大丈夫なのか?」と心配になった方もいるかもしれません…。ごめんなんさい。
フリースクールの大枠はかなり前から決まっていたのですが、この授業料だけは、なかなか確定できずにいました。が、ようやく確定いたしました。授業料や利用料が気になっていた方がいらっしゃったら、スクール案内をご確認いただけたらと思います。大変お待たせいたしました…。
今日は、フリースクールの利用料や授業料について、少しご説明したいと思います。そもそも、「フリースクールになぜ授業料がかかるの?」「フリースクールによって、授業料に差があるのはなぜ?」と疑問に思われている方にも、ぜひご一読いただきたい内容です。
フリースクールの授業料について知ることで、フリースクール選びの参考にしていただけたらうれしいです。
フリースクールの授業料のなぞ① 無料ではないわけ
「公立の学校は無料なのに、なぜフリースクールはどこも無料にならないの?」
そんな疑問をもっている方も多いのではないでしょうか。その理由は、いくつかあるのですが、根本的な違いは「フリースクールは学校ではない!」ということが大きいのではないかと思っています。
フリースクールと「スクール」がついてはいますが、フリースクールは学校ではありません。つまり、教員免許があろうがなかろうが、フリースクールをはじめることができるし、学校としての機能があってもなくてもかまわないというわけです。
もちろん、学校と連携し、フリースクールに通った日数は出席にカウントすることができることもありますが、実際には学校ではないのです。
また、公立の学校に通っていると、たしかに授業料を支払う必要はありません。でも、その中で働いている先生たちは無給で働いているか!?といったら、それは違います。直接授業料をもらっているわけではありませんが、みなさんからの税金の中からお給料をいただいて、働いているわけです。
フリースクールと学校はいくら連携していても、フリースクールの中の人間は公務員にはなれません。つまり、無料でフリースクールを運営しようとするならば、無給で働くことを前提とすること、施設の維持費などは寄付金などを募っていくこと、などがないと、むずかしいというわけです。
最近は、学校内にフリースクールができているようですが、そのような場合には無料が実現できます。
どの子も、金銭面の心配をせずに通えるフリースクールを実現するには、どうしても自治体からの補助が必要です。
フリースクールを長年運営している団体には、補助金がおりるところもありますが、個人経営となるとむずかしい。なかなか個人でフリースクールを無料で運営していくにはハードルが高いのが、実情です。
フリースクールの授業料のなぞ② スクールによって差があるわけ
「じゃ、なぜ無料で利用できるところがあるの?」
「スクールによって、利用料に差があるのはなぜ?」
と疑問に思う方もいらっしゃることでしょう。
無料で利用できるところの多くが、NPO団体など自治体からの補助や寄付金を集めながら運営しています。また、元学校の先生が、リタイア後に個人的にフリースクールを開かれている方もいるようです。
別の仕事をかけもちしながら、そちらの収益をフリースクールの運営にあてているという方もいらっしゃいます。
いろいろな方がフリースクールの運営をしていますが、スクールを維持するために奮闘されていることがわかります。
たくさんの子どもたちを受け入れるキャパシティのあるスクールは、一人あたりの利用料や授業料が安く設定することが可能です。
一方、マンツーマンや少人数のフリースクールでは、一人あたりの利用料や授業料は少し高くなってしまいます。その分、一人にかかわる時間は多く、じっくり見てもらえる、たっぷりかかわってもらえるというメリットがあるので、どちらがいいとは一概にはいえません。
利用料や授業料だけを見ると安いけれど、それ以外の施設維持費、入会金、利用の有無にかかわらず月々一定料金を支払う必要があるスクールもあります。
トータルで見ると、どうなのか。どんなフリースクールで、どのように過ごしてほしいのか、(お子さんは)どのように過ごしたいと思っているのか。
利用料や授業料だけでなく、人数や活動内容なども合わせて、じっくり吟味することをおすすめします。
ちなみに、フリースクールの授業料の平均は3万3千円/月、それとは別に入会金5万3千円という全国データがあります。フリースクールを運営していく上でかかるお金が、このデータからも読み取れるのではないでしょうか。
フリースクールの授業料のなぞ③ 設定にう~んと悩むわけ
これは、運営者側の問題なのですが… 授業料の設定には悩んで、悩んで、悩んでも、これでいいのか?というほど、悩みました。
それは、いち保護者の立場からすると、「高い授業料では行かせたくても通うことがむずかしい」という状況になることが理解できるからです。
必要としている子に通ってもらいたい!と心から願っているのに、授業料を設定すると、ある程度そこで線引きしてしまうのではないか…と思うと、心が痛みます。
学校で働いているときには、こんなことは考えたことがありませんでした。それは、やはりお給料をいただいていたからなんですね。
年金をもらいながらボランティアで子どもたちとかかわりたい!という世代ではなく、子育て世代真っ最中の身のため、授業料を設定せざるを得ない。高すぎたら、利用する方の家計が苦しくなるのではないか。安すぎると、自分の生活が苦しくなるのではないか。
などと、ぐるぐる考えていると、まったく設定ができなくなってしまいます。
授業料をご覧になった方が、どのように感じるのか…は、正直わかりません。
でも、細く長く子どもたちの居場所であり続けられるように、子どもたちの笑顔あふれる場所でいられるように、そして、その子どもたちを見守り続ける保護者のみなさまが「一人じゃない」と少し肩の力がぬけるサポートができるよう、「ぶあの家」でも授業料を設定いたしました。
【まとめ】まずは、見学や無料体験をうまく利用しよう!
必要としてくれる子どもたちに、必要なサポートができるように…
運営する側としては、これに尽きます。
フリースクールをお探しの方は、おそらく、この授業料がひとつのものさしになっているのではないでしょうか。「このくらいの料金なら、通わせられるかな」「ここは高すぎるからむずかしい」など、料金で判断される方も多いことでしょう。
でも、授業料を気にせずに、まずは見学に行ってみる。無料体験してみては、いかがでしょうか。お近くに気になるフリースクールがあれば、無料体験や見学ができるかどうか問い合わせてみることをおすすめします。百聞は一見にしかず!です。
もし、「ぶあの家」に興味をもってくださっている方がいれば、「ぶあの家」では、無料体験を実施しています。「どんな人が運営しているのかな」「どんなことをやるのだろう」「どんな場所なんだろう」実際に体験していただくことで、見えてくるもの、感じることがたくさんあるはずです。
ぜひ、お気軽に無料体験にお申込みください。無料体験したから、そのまま入会しなくてはいけない…なんてことはありません。
6月よりプレオープンします。6~7月の無料体験の募集をはじめますので、興味のある方は、HPのお問い合わせフォーム、または「ぶあの家」LINE公式アカウントから友だち追加後に、メッセージをお送りくださいね。
