世の中の「フリースクール」のイメージはどんなものなのでしょうか。
「フリースクールをはじめよう!」と思い立ったころ、そもそも「フリースクールってどんな意味なのだろう?」と調べたことがありました。
そして、衝撃を受けました。
フリースクールとは…
不登校や引きこもりの子どもや大人が通う非学校的な施設
(引用 wikipedia)
みなさん、どう感じますか?
わたしは、正直いい印象をもてません…。「フリースクールに行っている」というと、「あぁ不登校か引きこもりなのね」みたいな感じで、自分たちとは違うといった線引きをされるのではないかと感じる方もいるのでは!?
でも、確実にフリースクールは変わってきています。そして、これから、もっと変わっていくと感じています。
それは、フリースクールを必要としている子どもたちが、確実に増えているからです。逆にいえば、学校という枠にはまることが苦しい子どもたちが、たくさんいるということになります。
学校が変わるか、フリースクールのような学びの場が増えるか、もはやそれ以外に道はないのではないでしょうか。
自分がフリースクールをはじめる準備をして以来、調べれば調べるほど、いろいろな声を聴けば聴くほど、「フリースクールには未来がある」と感じています。
今日は、そんなフリースクールの未来をシェアしたいと思います。
【子どもにとって】学校以外の学びの場・成長の場
日本の子どもたちの学びの場は、本当に限られています。現状では、ほぼ学校一択といってもいいでしょう。でも、同じ人間がいないように、ひとりひとりの特性が違う中、学校一択ということ自体に限界があるように感じます。
学校に適応できない子、わけあって学校に足が向かわない子たちは、一体どこに行ったらいいのでしょう。学校以外に選択肢が少ないと、家庭で見ざるを得ない。家庭でみるにも限界がある。
地域に、フリースクールがいくつかあったら、どうでしょう。子どもたちは、学校以外の学びの場を探すことができます。そのフリースクールにも、それぞれに特長があって、子どもたちが自分に合った場所を選ぶことができたら、どんなに素敵だろう…と思いませんか。
学校以外の学びの場、成長の場として、フリースクールは大きな役割を担っています。そして、これから、もっと必要とされるのではないでしょうか。
【子どもにとって】笑顔をとりもどす居場所
学校に行けない自分、学校がつらくなってしまったこと、今までできたことが突然できなくなってしまったこと、そんな現実に苦しんでいる子どもたちがいます。
「自分だけじゃない」「学校以外に自分の居場所がある」それだけでも、ちょっと心が軽くなる子もいるはずです。
フリースクールという場で出会う仲間、スタッフと一緒に過ごす時間は、子どもたちにとって充電期間。少しずつエネルギーがたまっていけば、自然に笑顔がもどってきます。
エネルギー満タンになれば、「こんなことやってみたいな」ということが見つかり、積極的に自分から行動する子も出てくることでしょう。
【子どもにとって】社会とのつながり
学校がなぜ大事だと思われているのか。それは、社会性を学ぶ場でもあるからです。そして、フリースクールもその役割を果たすことができます。
特に、フリースクールでは、学年やクラスという枠がないため、異年齢との交流が学校よりもさかんに行われることが多いです。また、学習サポートだけでなく、多くのフリースクールが、遊びやさまざまな活動を通して、子どもたちが成長できる場を提供しています。
いろいろな年齢の人、友だちとかかわりながら、社会性を身につけていく場。それが、フリースクールの大きな特長でもあります。
【親にとって】ひとりじゃないと感じられる場
子どもも孤独感を感じていると思いますが、親が感じている疎外感や孤独感は、実際に体験していないと想像することもむずかしいのではないでしょうか。
同じ境遇の親同士がつながることができる場、それがフリースクールです。親の会を開催しているスクールも多くありますね。
「自分一人じゃない」という安心感、相談できる人や場所があるということは、とても大きなこと。
親の気持ちが軽くなることは、子どもへもいい影響を与えます。
【親にとって】子どもを一緒に見てもらえる安心感
学校と距離があいてしまうと、子どもについての相談にのってもらう場所がなくなってしまいます。一人で抱え込み、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
フリースクールに通うことで、子どもの状態や様子をシェアしたり、相談したりすることができるようになります。「家ではこんな様子だけど、スクールではどうでしょう?」それだけでも、子どもの新たな面を発見できたり、気づかないことに気づけたりすることもあるでしょう。
いろいろな目で見守る中で、子どもたちが育っていくことは、とても意味のあることです。自分だけががんばらなくてもいい。一緒に見守ってくれる存在があるというのは、心強いのではないでしょうか。
【親にとって】自分の時間をもってリセット
ずっと子どもが家にいても、大丈夫。という方もいらっしゃることでしょう。でも、ときどき息抜きしたくなりませんか。
多くの親たちは、子どもが学校にいっている間に、仕事や家事、趣味など、子どもと離れた時間をもつことができます。でも、子どもがずっと家にいれば、自分だけの時間をもつことがむずかしい方も多いことと思います。
フリースクールに通っている間は、自分の時間。ちょっと子どもから心を離して、自分のために時間をつかっててほしいなぁと思います。
親が元気でいること、笑顔でいることは、子どもたちへの一番のエネルギー源となります。
【運営者にとって】自分のスキルや強みを活かすことができる
フリースクールの運営者にとっても、自分のスキルや強みを活かすことができます。たとえば、わたしの場合、教員という経験、心と体のバランスを崩した経験、海外経験など、今までのすべてをフリースクールで活かすことができるわけです。
同じように、いろいろなフリースクールが地域にできて、それぞれの運営者のスキルや強みを活かせば、子どもたちの選択肢を大きく広がります。
「自分はパソコンが好きだから、あそこのスクールがいいかな」「このスクールなら、たくさん体をつかって遊べそう」「落ち着いた雰囲気で学習したいから、ここがいいな」など、子どもが自分で選ぶことができるようになったら、いいと思いませんか?
これが、塾だと、同じ地域にたくさんの塾ができるとライバルになってしまいますが、フリースクールだとそうではない。逆に、地域の子どもたちを、いくつかのフリースクールで支え合うことができたら、すてきだなと思います。
【運営者にとって】学校だけが教える場ではない
自分がフリースクールを開こうと思うまで、正直なところ、教員という経験を活かすことができるのは、学校しかないと思っていました。
でも、よくよく考えてみると、学校ではできなかったこと、ひとりひとりにもっと時間をかけて向き合うことができるのが、フリースクールだと気づいたんです。
教員という仕事は好きだけど、子どもは好きだけど、学校という場が合わなかったという元先生たちもいるはず。そんな元先生たちが、地元でフリースクールをもっと簡単に開けるようになったらいいなぁと感じています。
【運営者にとって】自分らしい働き方ができる
これは、個人でフリースクールを運営する場合の話ですが…。フリースクールをどのように運営するかは、自分で決めることができます。大切にしたいこと、活動内容や時間なども、すべて自分で決めていくことになります。
これを大変だ…と感じる方もいるかもしれません。でも、自分の働き方を自分で決めることができるって、すごくないですか!?
超ブラックといわれる学校組織で働いていた経験がある方なら、それがどんなに天と地の差がわかっていただけるのではないでしょうか。
わたしは、学校では休憩時間なく朝から夕方まで仕事、帰宅後は育児と残りの仕事…それでも終わらない仕事を土日にずっと家で片付ける…そんな生活をしていました。当たり前ですが、体を壊しました。
その苦い経験を活かすことができるのも、フリースクールならでは。自分のキャパシティーに合わせて調整することができます。
【まとめ】これからの教育に必要なのは、フリースクールのような存在
フリースクールには未来がある!
これからの教育に必要なのは、フリースクールのような存在です。少しずつ公立学校にフリースクールを併設する学校もできてきました。
もちろん、フリースクール併設校がどんどん増えて、子どもたちがそこに居場所を見つけられるようになったらいいなと思います。でも、学校という場に行くことに不安がある子もいるはず。
そんな不安がある子どもたちのためにも、地域にフリースクールがあることは必要なのではないでしょうか。
フリースクールがもっと増え、フリースクールの利用料や授業料の負担がなくなれば、間違いなく、子どもたちの居場所は増えます!
近い将来、そんな日が来ることを願いつつ、まずはフリースクールの運営、そして、不登校やフリースクールへの理解を広めていくような活動をコツコツとしていきたいと思っています。