不登校は、学校だけでは解決することはむずかしい。
そのわけを以前お伝えしました。
ただ「学校だけでは解決しません」と主張するだけでは、何も変わりません。そこで、今日は、どうしたら解決の糸口が見つかるのか…を、考えてみたいと思います。
一個人としてできることは限られますが、一人ひとりの意識が少し変わることで、不登校への理解が深まっていくことを心から願います。
不登校を解決するための糸口① 学校の体質改善
以前、書いた「不登校は学校だけでは解決しない!」を読んでいただいた方は、学校のどんなところに問題があるのかをご理解いただけたのではないかと思います。
これらが改善されない限り、不登校は解決するのは、正直とてもむずかしいと思います。学校が変わらないから、子どもが学校に合わせるという主張もあるかもしれませんが、それは違います。
学校の今のシステムを変えなくてはならない時期が来たということ。それを、不登校という行動を通して、子どもたちが教えてくれている。
「今の学校には行けないよ」「今の学校では、苦しいよ」と子どもがSOSを出している。
それなのに、学校はなかなか変わらない。いや、変われないのかもしれません。先生たちの中には、今のシステムの限界を実感している人もいるはずです。でも、一個人では、どうにもできない。
また、残念なことに、不登校の子どもたちへの理解が足りない先生たちも、少なからずいるようです。
学校の体質改善、日本の教育システムの見直しが、早急に必要なのではないかと思います。文部科学省も「多様な学びの場の整備と学校間連携等の推進」として、少人数学級や複数教員による指導、学校内の連携はもちろん地域の関係機関との連携を推進する必要があるとしています。
でも、実際、大きくは変わっていません。子どもたちが体をはって伝えているSOSに気づかなければいけない。不登校の子どもたちが増え続けている事実と、しっかり向き合わなくてはいけないときなのではないでしょうか。
不登校を解決するための糸口② 学校以外の子どもの居場所をつくる
日本は、学校以外に教育を受けられる場が限られています。「学びの多様化」を実現するためには、学ぶ場所をもっともっと増やしていく必要があります。
フリースクール、特色のある教育機関、学習塾、ホームスクールなどが、子どもの学ぶ場所としてしっかり認められるようになれば、不登校の子どもたちは「学校」から解放されるのではないでしょうか。
「学校に行かなくてはいけない」「学校にいけない自分」そんな思いをもたずにすむように、学校以外の学びの場、居場所をつくることが大切です。
フリースクールは、まだまだ「学校に行けない子が通う場所」というイメージが強いように感じます。学校以外の場所を選択肢として選んだとしても、「学校に行けないから…」という思いがどうしてもついてまわる…。
自分で選択して「ここで、学びたい」「ここに、通いたい」と思ったら、学校以外の場所に堂々と通うことができるようになれば、不登校という言葉もなくなる日がくるのではないでしょうか。
不登校を解決するための糸口③ 親や子どもが相談できる場所を増やす
学校や自治体、その他の相談機関はあります。でも、相談しても親身になってもらえなかったり、否定されて落ち込んだりしている方も多くいらっしゃるようです。
もっと近い距離で、気軽に、継続的に相談できる場所、相談できる人がいること。
そうでなければ、子どもも親も自分たちだけで抱え込むしかなくなってしまいます。いろいろな人に相談でき、その中から自分たちに合った方法や助言を拾って取り入れていく。そのためには、相談場所や相談相手が多ければ多いほどいい。その中で、一緒に伴走してくれるような人が見つかれば、けっして一人で抱え込む必要はなくなるのではないでしょうか。
不登校というだけで、他の保護者の方との心の距離を感じ、孤独感を味わっている方もいらっしゃると思います。学校に行っているか、行っていないかだけなのに、そこに大きな溝ができてしまうのは、とてもさみしいことです。
それを改善するためにも、まずは一人ではないという体制をつくること。相談場所や相談相手が必要になります。
不登校を解決するための糸口④ 不登校への理解
不登校への理解がもっと広がっていけば、今、学校に行けない、または行かないという状況にある子どもたちは、もっともっとのびのびと生活できるのではないでしょうか。
不登校=特別なこと ではけっしてない。
学校以外に、自分に合った学びの場があり、相談できる相手がいる。
そんな社会になれば、どんなにいいだろう…と思います。海外では、ホームスクールが正式に認められていたり、ホームスクール、フリースクール、通常の学校を自由に行き来したりできる国もあります。子ども一人ひとりに合った学びの場を、子どもが選択できること。そして、それが認められる社会であること。
そうなるためには、不登校への理解がもっともっと深まり、広がる必要があると思います。
【まとめ】不登校を解決するためにできること
不登校を解決するためにできること、その糸口をお伝えしてきました。この中には、自分一人の力ではできないこともたくさんあります。
でも、ゼロではない。自分ができることもある。
それを、少しずつ行動していくことで、何かが少しでも変わればいいなぁと心から願っています。
今、自分ができること…
フリースクールをはじめること
不登校理解につながるメッセージを書き続けること
不登校で悩んでいる方々の声に耳を傾けること
不登校という言葉がなくなるために何ができるか考えること
自分が微力だということは認識しています。それでも、少しでも力になれるのであれば、子どもたちの笑顔のために力になりたい。その思いで、今、フリースクール開室の準備をしています。