「好き」な気持ちが子どもを伸ばす!子どもをつぶさないために…

子育て
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実は、教員を退職するかどうかを迷っていたころ、自分には何ができるのかを自問自答していました。絶対安定の公務員。そこを手放すことで、自分が失うもの、得られるものは何だろう…と考える日々。

結局、手放し、「新たな道を進むこと=フリースクールをつくる」を選択したのですが、その決断をする前には、やはり葛藤がありました。その葛藤を乗り越えるためにも、たくさんの本を読み漁っていました。

多くの本に共通して書かれていたこと。

それが、自分の「好き」を見つめなおすということ。自分は何が「好き」なのか、どんなときに喜びを感じるのか、自分の「好き」なことで、誰かが喜ぶことは何だろう…と。

今まで、教員という仕事が好きではなかったわけではないのですが、年齢や経験を重ねるうちに、どこか違和感を感じるようになっていたんです。さらに、頭のどこかで「好きなことは仕事にはならない」と思い込んでいたところもありました。

でも、たくさんの本を読むにつれ、「自分の好きなことを仕事にすることができるのかもしれない」と思うようになりました。と同時に、自分の「好き」を見失っている人が世の中には多くいるのだということも、はじめて知りました。

これからの時代を生きていく子どもたち。まぎれもなく、「好き」なことを活かし、それを人のために役立てていく仕事をする時代になるのでしょう。それなら、なおさら、子どもの「好き」を大切にしたいと思うようになったのです。

今日は、これからの時代を生きる子どもたちのために、『「好き」を大切にする』コツやよさをシェアできればと思います。もちろん、これは大人でも同じ。今からでも、あなたの「好き」を探してみませんか。

「好き」なことって何?

あなたの「好き」なことって何ですか?

と聞かれ、ぱっと答えられる方はどれくらいいるでしょうか。「え…なんだろう!?」と少し悩む方も実は多いのではないでしょうか。

でも、同じ質問を子どもたちにすると、子どもたちは、いとも簡単に「○○!」と答えます。子どもたちの「好き」と素直に表現できる姿勢は、時代が変わっても大きく変わっていません。

しかし、たくさんの子どもたちと接してきた中で、少しずつ変化も感じていました。

「何もない…」と答える子が少なからずいることです。

「できる」「できない」「得意」「不得意」「みんなと同じ」「みんなとは違う」そんな枠にとらわれることなく、これが「好き」と言えるのが、子どもだと思っていたのですが、少し変わってきたようです。

子どもの「好き」には、いろいろな理由があります。「得意だから好き」「流行しているから好き」「かわいいから好き」「かっこいいから好き」「夢中になれるから好き」「楽しいから好き」「ほめられるから好き」…

どんな理由でも「好き」という気持ちを、それを表現できることは、すてきなことです。でも、中には「好き」という気持ちを自覚できない子、表現できない子がいることも事実です。

おそらく、育ってきた環境の中で、「好き」だと自覚したり表現したりする経験が少なかったのでしょう。どんな気持ちが「好き」なのか、「好き」って言ってもいいのかどうか…子どもなりの葛藤があるのかもしれません。

子どもの「好き」を大切にするコツ

「好き」な気持ちを大切にするコツ、それは「好き」を共有すること。すごく簡単です。

でも、実はすごくむずかしい。

矛盾していますね。どういうことか、説明します。

子どもたちが夢中で何かをしているとき、「○○が好きなんだね」と「好き」な気持ちを共有することがあると思います。ただ、これが、夢中になりすぎて「宿題をやっていない」「ご飯を食べる時間なのにやめられない」「話をまったく聞いていない」となったらどうでしょう。

「好きなんだね」…では、すまなくなってきませんか。

本当は夢中で何かに取り組むことは、すばらしいことのはずなのに、「○○(好きなこと)ばかりやっているから…」と悪く言い換えられてしまうこともあるかもしれません。

さらには、「宿題しないと○○(好きなこと)をしてはダメ」、もっといくと「○○(好きなこと)禁止」になることも!?そこまでくると、もはや「好きなこと」は「悪いこと」として、子どもたちの中にインプットされてしまうことでしょう。

では、どうすればいいのか?

子どもに考えさせることが大切です。「好き」という気持ちを共有し、大切にしながら、「でも、やらなければならないことがある」という事実を伝えます。そこで、「じゃ、どうすればいいのか」を子ども自身に考えさせます。

「好き」なことをやりたいから「宿題もする」と子どもが納得できれば、大成功。まぁ、すんなりうまくいくことはむずかしいかもしれません。でも、実際に我が子は、この方法で、地道に「好き」を貫いています。

つまり「好き」を阻害しないですむ方法を、子どもと一緒に探すことが大切なわけです。

子どもの「好き」は「得意」とは限らない

中には、得意でみんなからもほめられるから「好き」という子もいるでしょう。でも、一方で、得意ではないけれど、「好き」という気持ちもあります。

周りの判断に関係なく、心から「好き」だといえるのだから、本当に「好き」なのでしょう。

そんな「好き」に出会ったら、周りの大人は気をつけて声をかけるようにしたいものです。なぜなら、その子の「好き」をたった一言でつぶしてしまうことがあるからです。

たとえば、絵を描くことが「好き」な子がいたとします。その絵は、はたから見て「上手だね」とはいえないものだったら…。大人なら、その絵の中からすてきなところを見つけてあげることができるかもしれません。

でも、子どもが相手だったら…?「下手だね」とあっさり言う子も中にはいるでしょう。その言葉に傷ついて家に帰ってきた子に、なんと声をかけますか?

そこで、どう大人が声をかけるかで、その子の「好き」が大きく影響します。

「ほんとだから、しょうがないね」と声をかけられたら、子どもはショックを受けますね。

「お友だちに絵の描き方教えてもらったら?」「〇〇ちゃん(友だち)は絵が上手だから、仕方ないよ」では、間接的に「絵が下手」だと指摘されているように感じるかもしれません。

では、どう伝えるのか…。

「絵って、人によって好きなものとそうでないものがあるから、○○ちゃんにとっては、あまり好みの絵ではなかったんじゃない? 絵に上手や下手はないんだよ」

と、わたしなら伝えます。もちろん、これが模範解答ではありません。

人によって、お子さんによっても、とらえ方が違うので、一概にいい悪いとは言い切れません。

でも、大事なことは、上手や下手、得意や不得意は、「好き」とは切り離して考えるということ。特に、子どもの場合は成長途中。今「得意」ではなくても、「好き」を続けていれば、いつか「得意」になることがあるかもしれません。

何より、その子が「好き」で楽しんでいるものを否定されたら、悲しくなりますよね。そして、自信もなくします。いつの間にか「好き」だったはずのものが「きらい」になってしまうかも…。そんな悲しいことはありません。

子どもの「好き」は変わってもいい

「好き」なことがコロコロ変わる。

それって、自然なことです。特に、子どもは、好奇心旺盛だから、いろいろなものに興味を示すことは成長している証です。

興味をもって試しながら、もっと「好き」なものに出会うかもしれないし、「やっぱり好きじゃなかったー」と感じることだってあっていいと思うんです。

子どもの可能性は無限大です。何にだってなれる!

そのために、たくさんの「好き」に出会うといいと思います。子どもの「好き」が変わったら、また一歩成長したんだなと思ってあげてください。

その「好き」の中のどれかが、将来、その子の「好き=仕事」につながるかもしれない。そう思ったら、少しわくわくしませんか。

子どもの「好き」が未来につながる

「好き」をきわめていくと、そのうち「得意」になることがあります。さきほど「好き」と「得意」は切り離して考えると伝えたばかりじゃないか!?と思われるかもしれませんね。

「好き」と「得意」は別物です。でも、「好き」をきわめていくと、そのうち「得意」になっていくことが多くあります。「得意」になると、それをつかって誰かを助けることができる、何かの役にたつことができる、それが「仕事」につながる日がくるのではないかと、わたしは思います。

「仕事=生活のため」という時代は終わりつつあります。「仕事だから、いやいやしなくてはならない」「仕事は我慢してやるもの」という時代は、おそらく、今の子どもたちが大人になるころには、少なくなっている、なくなっているのではないでしょうか。

子育て、教育のゴールは、子どもの「自立・自律」。いつか社会に巣立っていく日に、「自分には、これがある!」というものがあるかどうかで、未来はずいぶんと変わってきます。

子どもの「好き」を大切にすることで、自信につながったり、人とのかかわりに広がったりすることもあるはずです。

【まとめ】子どもの「好き」をつぶすか活かすかは・・・大人次第!

子どもたちにとって「好き」は日常。

子どもの「好き」は、子育てをしていると「けっこう、やっかなもの」として扱いがち。「またかー」「なんで、好きなことばかりしているのー!」と言いたくなることもあるでしょう。

そんなときは、今日、紹介した「子どもに考えさせる方法」を試してみてください。時間はかかるかもしれませんが、継続することで、必ず子どもは変わってきます。

なぜ、子どもの「好き」を大切にしなくてはいけないの?…という方もいるかもしれませんね。実は、本を読んで初めて知ったのですが…

大人になって「好きなことがわからない」という方が意外にも多くいる。つまり、大人になって、自分の「好き」を活かして仕事をしたい!と思っても、自分の「好き」がわからずに悩んでいる人がけっこういる。そして、その理由の多くが、幼いころや成長する間に「好き」という気持ちをどこかに置いてきてしまっているのだそうです。

大人になるまで「好き」という気持ちを大切にしてほしい。「好き」なことがコロコロ変わってもいい。いろいろな道を試行錯誤してもいい。

いずれ大人になったとき、「好き」な気持ちがあれば、つらいことや苦しい状況も乗り越えられると思いませんか。

今日は、「好き」を大切にすることをお伝えしました。実は、これ、子どもだけではなく、大人も同じ。子どもも大人も「好き」を大切にして生きられたら、どんなにすてきだろう…と思うようになりました。

わたし自身、そんな大人になれるよう、今できることをコツコツ進めたいと思っています。

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